背中に黒板を背負った十数人の男たちが山道を歩いている。爆撃で学校を失った教師たちで、子供に読み書きを教えるために教師のいない村を回っているのだ。若い教師サイード(サイード・モハマディ)は、イランからイラク側の故郷に戻ろうとする一団と出会い、長老に教職を申し出、イラクとの国境まで道案内を務めることになる。一方、別の教師レブアル(バフマン・ゴバディ)は、イランとイラクの間で密輸物資を運ぶ子供たちと遭遇。熱心に勉強の必要を説くレブアルを疎ましく思う子供たちだったが、次第に心を開き、レブアルは文字や算数を教え始める。その頃、サイードは、幼児を連れた未亡人の女性ハラレ(ベヘナーズ・ジャファリ)に目を奪われていた。彼は彼女に結婚を申し込めるかどうか長老に尋ね、黒板を結納金として2人は結婚することになった。だが静かな日々は長く続かなかった。サイードたち、そしてレブアルたちの一行は、イラク軍の銃撃にさらされる。逃げ惑う人々、銃弾に倒れてゆく子供たち。その悲劇の後、サイードとハラレは別々の道を行くことにするのだった。