チベットに限りなく近い、北ネパールのドルポ地方。ここに住む村人たちは、厳しい冬を生き延びるため、ヤクの背に塩を乗せて運び、食料の麦と交換するキャラバンを行なわねばならなかった。村の長老ティンレ(ツェリン・ロンドゥップ)は、長年の間、村人を率いてキャラバンを続けてきたカリスマ的存在。だが、あるキャラバンで、彼の長男ラクパが死んでしまった時、ティンレは村人たちともめる。ラクパ亡き後のキャラバンの指揮に、若者カルマ(グルゴン・キャップ)を推す村人。だがティンレは、自分が隊列を率いると言い張った。そして次のキャラバンの日が神託で決定するが、カルマは嵐が来るからもっと早く出掛けるべきだと主張し、決定日より前に村の若者たちと大多数のヤクを率いて出発してしまう。その後、ティンレの率いるキャラバン隊も出発。厳しい自然をくぐり抜け、やがてティンレの隊はカルマたちに追いついた。だがさらに、彼らには過酷なヒマラヤの試練が待ち受けており、激しい嵐と雪の中で、生きるための戦いが交錯していくのだった。