マルセイユの下町。ジャネット(アリアンヌ・アスカリッド)はスーパーマーケットで働きながら女手ひとつでふたりの子供を育てていた。ある日閉鎖寸前の工場からペンキ缶を失敬するところを守衛のマリウス(ジェラール・メイラン)に見つかってしまう。一匹狼を思わせる彼だが、翌朝彼女の家にペンキ缶を届けに来たことでふたりの交流が始まる。生活に追われ恋をすることすら忘れていたふたりはジャネットの子供や隣人たちの声援も受け、次第に関係が深まって行く。ところが隣人たちとのパーティーを境にマリウスはジャネットの前から姿を消す。ジャネットの落胆ぶりを見かねて隣人の男たちがマリウスを飲みに誘う。酒の勢いを借りて過去を吐き出すマリウス。彼は自分の運転する車で事故を起こし同乗していた妻子を亡くしていたのだった。悲しい過去に縛られた彼をジャネットが寝ているベッドに縛り付ける隣人の男たち。心憎い演出を機にふたりはよりを戻し、未来に向かって歩み出すのだった。