「まちぼうけ」今を遡ること15年前、ある古びた温泉宿に取材でやってきた稲川淳二は、夕食の席でスタッフのひとりが持ちかけた肝試しの話に乗り、深夜、宿の開かずの間に3人の仲間と侵入した。その部屋は、かつて旅芸人の一家が心中した部屋であるという。体を煩っていたために親子共々一座から見放されることになった彼らは、生きる希望を失い、その部屋で自殺したのだ。ところが、話し終わったスタッフが押し入れの中から血だらけの人形を発見する。やがて親子の幽霊を目撃し、恐ろしくなって稲川たちは部屋から逃げ出した。翌朝、スタッフと帰路に着いた稲川は、幽霊が自分たちを迎えに来た一座と思って出てきたのだと悟る。