11月末。売れない俳優のジョー・ハーパー(マイケル・マロニー)は1年も仕事がない。彼は役者生命を賭けて、クリスマスに郷里の古い教会で『ハムレット』を上演しようと思い立つ。エージェントのマージ(ジョーン・コリンズ)の反対を押し切り、オーディションを開き、自分と似た境遇の三文俳優を集めて、いざ出陣。教会には妹のモリー(ヘッタ・チャーンレイ)と美術兼衣裳担当のファッジ(セリア・イムリー)が待っていた。今回の公演の名目は、この朽ちかけた教会をアート・シアターにして開発業者の手から守ることだ。役者たちは教会のオンボロぶりと粗末な食事に閉口しながも、そこに泊まり込んで共同生活をはじめる。主役のハムレット兼監督のジョー以下、ヒロインのオフィーリアにはド近眼の癖に眼鏡もコンタクトも拒否するニーナ(ジュリア・ソワルハ)、ホレーシオほか数役を演じるはマザコンでアル中だが気は優しいカーンフォース(ジェラード・ホーラン)、王妃ガートルードには何と陽気なゲイのテリー(ジョン・セッションズ)、クローディアス王には“クソじじい”を自称する偏屈な老俳優ヘンリー(リチャード・ブライアーズ)、ポローニアスには14年もピーターパンを演じて飽きた永遠の子役ヴァーノン(マーク・ハッドフィールド)、レアティーズほか数役は完璧主義者だが神経質すぎるトム(ニック・ファレル)と、いずれ劣らぬ変人集団。ささいなことでも稽古の進行はストップ。前途は多難だった。資金繰りもうまくいかず、大家から立ち退きまで要求されたジョーに気が休まる時はない。最初の通し稽古の途中、ジョーはついに爆発、「芝居は中止だ。こんなことを続けるなんて無意味だ」と絶叫。だがそんな思いは皆同じ。役者たちの励ましもあって、ようやく満足いく稽古が終わり、資金問題も全員の協力で乗り切った。ようやく連帯意識も芽生えた公演初日。ところがここで大事件。何とジョーがハリウッドの3部作のSF映画の主演に起用されたのだ。芝居を捨て、行くか行かざるべきか。放心状態のジョーに役者たちは「チャンスは逃すな。行け」と勧めるが、ニーナだけは泣いてジョーを非難。ハムレットは急遽モリーが代役し、ジョーを起用した女プロデューサーのナンシー(ジェニファー・ソンダーズ)とマージが見守る中、ついに幕が開ける。初舞台のモリーは緊張で言葉が出ない。そこに何とジョーが客席の後ろから登場。彼は結局芝居を選んだのだ。舞台は大喝采のうちに無事終了。驚いたことにナンシーは映画の主演にトムを見初め、美術にファッジを起用した。テリーは17歳の時一度だけの過ちでもうけた息子と再会、カーンフォースは母から祝福され、ニーナは女優を反対していた父にようやく認められ、ジョーに愛を告白_役者たちはそれぞれ喜びを分かち合うのだった。