ヌーヴェルヴァーグの名匠エリック・ロメールの初期の短編で、“六つの教訓話”シリーズの第1作。製作・主演はステュディオ・アフリカのG.ドロクレスと、ロメールと共に製作会社“レ・フィルム・デュ・ロザンジュ”を設立し、のちに監督となったバルベ・シュロデール(バーベット・シュローダー)ロメールは最初、このシリーズの映画化の予算を得られず、まず小説の形で執筆(邦訳・早川書房)。撮影はジャン=ミシェル・ムーリスとブリュノ・バルベで、ゼンマイ式の小型カメラで撮影された関係でショットの長さは最長で20秒、撮影は無声で音は編集後に付け加えられている。語り手となる主人公の声は、音声録音時にバルベ・シュロデールの都合がつかず、のちに「田舎の日曜日」「ひとりぼっちの狩人たち」を監督するベルトラン・タヴェルニェが声を吹き替えた。共演は「ハタリ」のミシェル・ジラルドンほか。別邦題で「モンソーのパン屋の女の子」もあり。