フィレンツェ。ウフィッツィ美術館。連続猟奇レイプ犯を追う、若き女刑事アンナ(アーシア・アルジェント)は、情報提供者から呼び出された先の名画の前で、絵の中に吸い込まれた気分になって失神する。作家スタンダールが経験したという“スタンダール”に襲われたのだ。彼女を助け起こしてくれた男こそ、犯人アルフレイド(トーマス・クレッチマン)だった。アルフレイドはその夜、ホテルでアンナを襲い、剃刀で切りつけて暴力的に犯したあげく、目の前で娼婦を惨殺して逃亡。上司のマネッティ警部(ルイジ・ディベルティ)に休養を取らされ、長い黒髪も切り、故郷ビラルボに帰ったアンナ。父(ジョン・クエンティン)や弟たちが彼女を迎える。同僚で恋人のマルコ(マルコ・レオナルディ)が護衛してくれるが、レイプのショックで心身共に病んだ彼女に安らぎはない。ある晩。近所で娼婦が惨殺される。そしてアンナはまたアルフレイドに襲われた。森の奥深くの洞窟に監禁され、犯されるアンナ。だが、彼女はすきを見て反撃し、アルフレイドに重傷を負わせて激流に蹴り落とした。だが、彼の死体は下流の迷路状の水路に迷い込み、発見されない。街へ戻ったアンナは不安な日々の中、金髪のかつらで変身。カウンセリングのカヴァンナ医師(パオロ・ボナチェエリ)も不安げだ。彼女はフランス人の美術助手マリー(ジュリアン・ランブロスキーニ)と知り合い、愛し合うようになるが、その矢先美術館でマリーは殺された。「アルフレイドが生きている!」と狂乱するアンナ。家に戻った彼女をカヴァンナが待っていた。アルフレイドの死体発見のニュースと共に、マルコが駆けつけたとき、医師は血まみれで死んでいた。マリーを殺したのはアンナだった。レイプで心身傷ついた彼女は、そんな自分を忘れるため、自らアルフレイドになりかわってしまったのだ。マルコを打ち倒し、街へさまよい出た彼女をマネッティ警部がつかまえ、抱きあげて病院に運んだ。