ニューヨーク。五番街に立派なオフィス兼住居を構える精神分析医のヘンリー(ウィリアム・ハート)は気分転換にパリ行きを思い立ち、パリの新聞にアパート交換の広告を出す。それに応じたのがダンサーの卵ベアトリス(ジュリエット・ビノシュ)。こうして彼はパリ、彼女はニューヨークの暮らしが始まる。ニューヨークではヘンリーの留守にもかかわらず患者が押しかけ、お人好しの彼女が断りきれずに話を聞いてやると、皆そろってそれだけで元気に。一方パリのヘンリーはベアトリスに恋する青年たちの電話や手紙に悩まされ、直接押しかけてくる者に精神分析をしてやる始末。辟易したヘンリーが帰宅すると、今では“ベアトリス先生”の秘書気取りの彼女の友人アン(ステファニー・バトル)に追い返され、ブルックリンに住むデニス(ポール・ギルフォイル)の家に転がり込む。翌日、ジョン・ワイヤーという偽名を使った予約で、患者を装って自宅に戻った彼は、飼犬がすっかり元気で、植木も見違えるほど繁っているのに驚く。一方彼女のほうも一言も口をきかないこの謎の患者に困惑、それでも二人は翌日にもう一度会う約束をした。ヘンリーの婚約者リズベス(バーバラ・ギャリック)がベアトリスを彼の新しい同棲相手と勘違いして、犬を無理やり連れだす一幕も。ヘンリーは彼女に恋をし、彼女もジョンと、そして未だ会っていないヘンリーに恋を感じはじめていた。だがどちらも告白しないうち、ベアトリスがパリに戻ることに。ヘンリーは彼女に会うためパリ行きの航空券を入手するが、それはベアトリスの乗り遅れたキャンセル席だった。彼女は次の便でパリへ。自分のアパートに着いた彼女は、ジョンが実はヘンリーだったと知り、二人は抱き合う。