アメリカ・ロサンゼルス、刑務所の護送車に揺られる松島ナミは、悪夢のようなあの朝のことを思い返す。自動車製造会社に勤務する婚約者の次郎と幸せな一夜を過ごした翌朝、会社へ出勤しようとしていたナミの目の前で、次郎の乗った車が突然爆発したのだ。次郎の遺体は粉々になってしまい、見分けもつかないほどだった。ところが、ナミは次郎を殺害したとの汚名を着せられて逮捕されてしまう。裁判で有罪とされたナミは、失意のまま刑務所に送られた。彼女はレイプや拷問が横行する塀の中にいてはいけないと悟り、所内で知り合った盲目の日系三世・ユキコとともに脱走を図る。無事に逃げのびたふたりは、ナミの友人・吉岡の家に身を寄せた。自分をレイプし、恋人を殺した男たちへのユキコの復讐を手助けしたナミは、次郎を殺した犯人を捕まえるため調査に乗り出す。訴訟王国アメリカでは運転者の過失で事故が起きても、弁護士によってそれが製造会社側の責任にされることがあり、裁判などを通じて次郎には敵が多かったことがわかった。ところが、次郎の会社を相手に訴訟を起こしていた弁護士たちが次々に惨殺される事件が発生し、吉岡は次郎が生きているのではないかと疑い出す。やがて、ナミの前に次郎が現れた。彼は訴訟で自分を追い込んだ弁護士たちに、自らの存在を消して復讐していたのだ。最愛の人が生きていたことの喜びに震えるナミに、次郎は銃を向ける。ナミは隙をついて逃げ出したが砂漠へ追いつめられ、絶体絶命のピンチを迎えた。ところがその時、一匹のサソリが次郎に毒針を突き立てる。ナミは次郎を絶命させると、彼との想い出の地ティファナを訪れ、そこで車もろとも彼の死体に火を放った。