青春をいためられた女学生圭子が夜の街に落ちて来た。手痛い仲間のジンギで身も心も痛みつけられた彼女に、やさしい言葉をかけてくれた一人の女があった。顔役でオアシスというスタンドのマダムおマキであった。彼女にも圭子と同じ位のめいがあった。明枝といって女子英語塾の四年生だった。おマキは月に一度身寄りのないめいを訪れて、慰めてやるのを唯一の楽しみとしていた--。がこうした日も永くは続かなかった。おマキの前の情夫国三がフトした機縁から現れたのだった。国三は何かをタテにおマキに言寄った「三万円ビタ一文かかさずに出せ」としつこい国三と争う中誤って川に落としてしまった。横浜で進駐軍の家政婦をしていると偽っていた真相は翌朝の新聞で、明枝の前にさらされた。彼女と未来を誓合っていた宮沢という英語塾の教師の前で彼女は打ちくだかれた様に泣崩れた。しかし圭子が国三とおマキの密会談を聞いていておマキを救った。圭子と明枝は同級生であったのだ。圭子に事実をきいた明枝は雄々しく真の母のために弁護台に立った。執行猶予になったおマキに宮沢は母として家に来るようにいった。だが「私の様な薄倖な女を救うために」といってラク町に帰って行くのだった。圭子も与太者から更生した銀二と彼女を迎えてくれていた。