父親をマフィアに殺され生きる気力を無くしていたエム・オハラは、偶然サンフランシスコで殺人現場に居合わせ、冷徹に殺しを終えたあと清らかな涙を流す殺し屋に出会った。彼はチャイニーズ・マフィア“竜の末裔”に素質を見出され、“フリーマン”と呼ばれる殺し屋となった元陶芸家の火野村窯という日本人だった。殺されたのは中国進出を企む日本ヤクザ“白真会”組長・島崎の息子で、バンクーバーに戻ったエムは、事件の目撃者としてニッタ、フォージ両刑事の保護を受ける。島崎は、フリーマンの目撃者暗殺をチャイニーズ・マフィア対抗策の端緒にしようとバンクーバーを訪れるが、島崎もまた窯に襲撃され殺されてしまった。再び窯の姿を目撃したエムは、もはや彼に殺されるのを待つかのようになっていたが、ある夜、エムのもとにやって来た窯は彼女を殺せず、運命に導かれるようにエムと結ばれるのだった。エムは彼が残したヒントを手掛かりに、北海道にある窯の隠れ家へと向かう。一方、組長を殺された花田竜二は、窯を仕留めて組織の覇権を握ろうと中国・上海の各地を襲撃していた。竜の末裔は花田暗殺を窯に命じ、目撃者暗殺の命に背いた窯の殺害も彼の相棒・黄に命ずる。裏で白真会と通じていたニッタ刑事が花田にエムの来日を教えに来たその時、窯たちは花田襲撃にやって来た。花田は殺され、窯を殺そうとした黄も道連れとなった。夫に尽くし陰で白真会の動向も操作していた花田の妻・君枝はニッタや組員を伴って、エムをかくまう窯の隠れ家を襲撃する。窯は激戦を戦い抜き、隠れ家を始末してエムとともに消えていった。