「土左衛門だ!」という呼びに、右門が駆けつけると、船頭の一人が絞殺されていた。「罰が当ったんだ!」とつぶやくもう一人の船頭に訳をたずねようとしたが、その船頭もまた殺されてしまった。この時その場にいた怪武士のあとをつけると西念寺の境内で姿を消してしまった。その時残した羽織を手がかりに、おしゃべり伝六が、芸者小金の情人村上敬四郎と西念寺へしのび込んで見ると、怪武士が、和尚に化け、生島屋太兵衛、おるい、おふみ、伊吉などが集めて怪しげな集会を開いてそれぞれ男女二人づつ四畳半の小部屋へはいり込むのだった。憤激した伝六たちが部屋へおどり込んだが、その時は小金をのぞいた他の連中は何処かへ姿をかくしてしまっていた。実は、怪武士がおるいを誘拐し伊吉がそのあとを追ったのだった。怪武士はようやく偽金使いの正体を現わし、おるいを種に生島屋から大金をゆすろうとしたが、伝六と、お馴染右門の働きでついに逮捕されたのだった。