大学の国文科を卒業した天明太郎は、生来の一本気から、最初に就職した静岡の女学校では、彼が緑川フミ子という女生徒をヒイキにしていると噂を立てられ憤然として辞職して東京へ帰って来た。次に「婦人評論社」へ勤めたが隣席のお染ちゃんこと染井京子に一方ならぬ好意を寄せられた。自由文化同盟の会長小笹五郎をインタビューに行き、看板と打って変わったその人格におどろき、ミス・銀座をインタビューに行き、それが緑川フミ子の転身であったことにまたおどろいた。そしてまた婦人評論社をやめた。第三の文化同盟も、小笹がフミ子へ野心を持っていることを知ってやめた。しかし伯父から天明家の財産がもうほとんどないことや母の苦労を知らされると、自分の短気を恥じて、フミ子の許をおとずれ、小笹へのとりなしをたのんだことから、フミ子の太郎への変わらぬ恋を知って、二人はめでたく結ばれることになった。そしてフミ子と手をたずさえて振り出しの静岡の学校へ教師として出発した。