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白い野獣

  • しろいやじゅう
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  • 平均評点

    62.4点(8人)

  • 観たひと

    13

  • 観たいひと

    2

  • レビューの数

    1

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1950
公開年月日 1950/6/3
上映時間 92分
製作会社 東宝
配給 東宝
レイティング
アスペクト比
カラー/サイズ モノクロ
メディアタイプ
音声
上映フォーマット

スタッフ

キャスト

出演山村聡 泉良輔
飯野公子 中原優子
三浦光子 湯川啓子
北林谷栄 増田玉江
木匠久美子 佐山マリ
登山晴子 斎藤美奈子
千石規子 三好秀子
河野糸子 杉山芳子
馬野都留子 高田女史
長浜藤夫 吉村
矢の島ひで子 田島とし
戸田春子 遠藤はつ
出雲八重子 小村恒子
石黒達也 青柳

解説

「わが愛は山の彼方に」の田中友幸製作。脚本は「春の目ざめ」(脚本・演出)につぐ成瀬巳喜男と西亀元貞(第一回)の協同で、成瀬巳喜男が演出した。撮影は「音楽五人男」の玉井正夫担当。主演は「女優須磨子の恋」(松竹)「第二の人生」の山村聡、「戦争と平和」「雲は天才である」(準備中)の飯野公子、「わが愛は山の彼方に」の三浦光子で、ほかに木匠久美子、千石規子、北林谷栄、石黒達也らが出演する。

あらすじ

ここ白百合療では多くのヤミの女に強い自覚と生活のよろこびを与えるため青年療長泉と理知的な女医中原が、自分を忘れて尽していた。新しく療へ入って来た啓子は、自分の踏んで来た道を間違ったものと考えていなかった。「きょう楽と共に自分の生活が苦もなく続けられたことがどうして間違ったことであろう、汚れた女だとひとはいう、しかし私が求めた喜びがどうして汚れているというのだ」と彼女は思う。だが泉は「身体の問題じゃない、そのことが間違ったことであるとわかるのは君が本当に何かに愛情を感じたときにはじめてわかることだ、今はただここで真面目に働らけばいい」そういって聞かせるのだ。中原は泉の寛い愛情の中で、同性のために働らくことが幸せであった。そしてそのような正しい生き方をしている泉や中原をみる啓子の心はしだいに自分自身のあゆんで来た道へのキグがうまれてきた。それは泉へのいつか芽生えた女の心であったかもしれぬ。そのころ、療生の一人玉江は脳ばい毒で気が狂って死んでいった。最後まで女の肉体の尊さを知ることなく--。そして同じころまだ少女のあどけなさの残っているマリは新しい生命を宿していた。それらを知った啓子の心は急に何か知らぬ大きな転換をはじめた。だがすでに享楽はけがれでないと信じていた彼女の肉体も病魔に襲われていた。ばい毒性視神経交さ炎がそれであった。眼がいたみ、そして次第に明るさを失っていく彼女の耳に、マリの赤ん坊の産声が聞えた。しらじらと夜が明けた。啓子はすでに心のさく乱がなかった。朝の庭に泉と中原が夜明けの誕生を喜びあい、「すべての女が母というものをいつも感じていたら多くの間違いがなかったのに--」と語りあっている姿が、光を浴びて立っていた。

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