男性      女性

※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。

NEWS

KINENOTE公式Twitter

わが愛

  • わがあい
  • The Day of Youth
  • ----


  • 平均評点

    63.2点(32人)

  • 観たひと

    50

  • 観たいひと

    2

  • レビューの数

    7

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1960
公開年月日 1960/1/3
上映時間 97分
製作会社 松竹京都
配給 松竹
レイティング 一般映画
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル
上映フォーマット 35mm

スタッフ

監督五所平之助 
脚色八住利雄 
原作井上靖 
製作坂井禅互 
撮影竹野治夫 
美術平川透徹 
音楽芥川也寸志 
録音服部満洲雄 
照明寺田重雄 
編集相良久 

キャスト

出演有馬稲子 水島きよ
佐分利信 新津礼作
丹阿弥谷津子 新津由岐子
田代久美子 新津さくら
谷昌和 新津ひろし
高橋とよ おはん
川口京子 町子
河野秋武 岡田次長
安部徹 吉村地方部長
笹川富士夫 山東
陶隆 伊佐
青山宏 加久
中台祥浩 土田
福岡正剛 米井
石井富子 まり
乙羽信子 秀弥
水原真知子 おうめ
東山千栄子 親戚の老夫人
浦辺粂子 おとめ
左卜全 三造
左多美子 お文
中村是好 吉見
関千恵子 おはま
和歌浦糸子 女一
小田切みき 女二
鈴木房子 女三
夏木恵梨 女中
二葉和子 村の女千代
西村公恵 村の女よし子
椋橋麗子 村の女ひで
高岡成計 村の男才三
立花広二 村の男清治
小田草之助 村の男安吉

解説

井上靖の『通夜の客』を、「硫黄島(1959)」の八住利雄が脚色し、「からたち日記」の五所平之助が監督した抒情編。「伴淳の三等校長」の竹野治夫が撮影した。

あらすじ

敗戦後四年の秋の夜、新津礼作の通夜の席に、見知らぬ女客が現れ、死顔を素早くのぞきこみ、そそくさと去った。水島きよとだけいった。--新津は戦争中、新聞記者として活躍したが、敗戦になると、一人だけで山へこもった。久しぶりの上京の時、突然、死んだのである。妻・由岐子と二人の子が残された。--水島きよは淋しかった。死顔をのそきこんだ時、あの人の眉がピクリと動いた。何を言いたかったのだろう。きよが新津と初めて会ったのは、十七の時だった。彼はきよが身を寄せていた柳橋の叔母の待合に度々遊びにきた。芸者の秀弥といい仲だった。川開きの夜、きよは彼ら二人と飲み同室で寝た。新津がその時いった言葉《大きくなったら浮気しようね》が、きよには忘れられなかった。戦争は激しくなり、きよは成長した。縁談もあったが、断り続けた。南方の特派員から内地へ戻った新津が、ある晩、友達と訪ねてきた。上海へ発つことになったのだ。空襲の下で、きよは新津に身を投げかけていった。--一年後には、戦争は終っていた。きよは焼け残った柳橋に、従妹と住んでいた。新津は社に辞表を出し、中国地方の村で百姓をやることにして、お別れに顔を見せた。彼は空襲の夜のことは忘れているようだった、何もかも。彼の後姿が淋しげに見えた。--彼が一人で村へ行ったことを知ると、きよは矢も楯もたまらず、後を追った、すべてを捨てて。新津は便利した。やもめ暮しみたいな生活に、女の手は有難かった。きよは彼が山にいる間だけ愛してもらうつもりだ。彼は“中国塩業史”の原稿をまとめるまで山にいる。村の人々は、最初きよを妾として扱い、口もきかなかったが、彼女の男への尽しぶりに同情し、打ちとけた。新津が京都へ行った帰途、東京の自宅へ寄ったことが、きよを悲しませ、死のうと思わせた。彼女の愛の底に、その悲しみは本質的によどんでいた。新津の子の誕生日に、彼が上京する時、きよはその支度に励んでいながら、出立を必死におしとどめていた。きよは彼が妻の方を愛しているように思えた。女の一方的な愛。が、新津の本当の気持を知った時、彼女は期限つきで身をひけるだろうか。--一緒に上京した時、彼は倒れ、そのまま死んだのだ。きよは、山の家を片づけ、雨にうたれて去りながら、新津がいいたかった言葉を悟った。《きよ、ありがとう》三年間の御礼の言葉だったに違いない。彼女はその時やっとわが愛について確信した。《わたしは愛したわ!》

関連するキネマ旬報の記事

1960年3月上旬号

日本映画批評:「通夜の客」より わが愛

1959年11月下旬号

日本映画紹介:「通夜の客」より・わが愛

1959年11月上旬号

シナリオ:わが愛 「通夜の客」より