男性      女性

※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。

NEWS

KINENOTE公式Twitter

鍵(1959)

  • かぎ
  • ----
  • Odd Obsession

amazon


  • 平均評点

    72.5点(221人)

  • 観たひと

    312

  • 観たいひと

    19

  • レビューの数

    47

基本情報

ジャンル エロス / 文芸 / ドラマ
製作国 日本
製作年 1959
公開年月日 1959/6/23
上映時間 107分
製作会社 大映東京
配給 大映
レイティング 一般映画
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル
上映フォーマット 35mm

スタッフ

監督市川崑 
脚色和田夏十 
長谷部慶次 
市川崑 
原作谷崎潤一郎 
製作永田雅一 
撮影宮川一夫 
美術下河原友雄 
音楽芥川也寸志 
録音西井憲一 
照明伊藤幸夫 
編集中静達治 
衣裳構成上野芳生 

キャスト

出演京マチ子 郁子
叶順子 敏子
仲代達矢 木村
中村鴈治郎 剣持
北林谷栄 はな
菅井一郎 石塚
倉田マユミ 小池
潮万太郎 児玉
星ひかる 刑事B
浜村純 相馬
山茶花究 古美術商
伊東光一 句会の男
花布辰男 句会の男
大山健二 句会の男
河原侃二 句会の男
高村栄一 句会の男
南部彰三 句会の男
伊達三郎 刑事A
中条静夫 刑事C
南方伸夫 
佐々木正時 
隅田一男 
小杉光史 
杉山明 

解説

谷崎潤一郎の同名小説を映画化したもの。「炎上」のコンビ和田夏十と長谷部慶次に市川崑が加わって脚色し、「さよなら、こんにちわ」の市川崑が監督した。撮影は「女と海賊」の宮川一夫。

あらすじ

不毛の土地での不毛の物語。京都T大の内科に、この頃、剣持は通っている。古美術の鑑定家だ。近頃トミに衰えた。その注射をするのである。妻には内証だ。インターンの木村を娘・敏子の婿にと思っている。剣持の妻・郁子が内科を訪ね、夫の通院を知った。夫には黙っていた。彼女は少しビッコの夫をきらっていた。でも、夜は……。木村が訪ねてき、皆でブランデーを飲んだ。郁子は酔い、風呂場で眠ってしまう。剣持は木村に手伝わせ、裸身を寝室へ運んだ。翌朝、彼は木村に診療を乞い、自分は姿を消した。嫉妬という奴は大変、気持が若くなる。木村をネタに郁子をあおろうというのだ。その夜も酒になり、剣持は盛んに妻にすすめた。郁子は酔い、風呂場へ消えた。--翌日木村は呼ばれ、フィルムの現像を頼まれた。昨夜、木村の貸したポーラロイドのである。敏子はその撮影の現場を見た。剣持が眼鏡を妻の腹の上に落したのも。郁子がかすかに“木村さん……”と叫んだのも。--木村は敏子とすでに関係を持っていた。--彼女は家を出、間借りすることにした。彼女の下宿で、郁子は酔ってまた風呂場で倒れた。敏子が剣持に知らせにきたとき、一時間ほど木村と郁子は二人きりだった。帰りの車の中で、二人はそっとバックミラーで見合うのだ。その夜、剣持はめまいで倒れた。血圧が高かった。郁子がどこかへ出かけた。敏子がやってき、父娘は久しぶりに夕食を共にした。木村と郁子はたびたび会っている。彼女の貞操が、不潔な方法で、ある満足を……と敏子はいいかけた。剣持は怒り、彼女を追い帰した。--彼は妻には黙って、木村と敏子を大切な用だと呼び寄せた。いきなり、あんた方の結婚の日取りを決めようといった。敏子は父が降参したと解釈した。さらに“母は父が具合が悪いのを前から知っていて、父を興奮させて殺すために貴方を利用していたのかも知れません”と木村にいった。貞節な郁子は晴々としていた。婚約が整った故だ。剣持は映画に三人で行けと小遣いをくれた。郁子が用をこさえた。木村も用事があるといった。敏子が一人、残された。--夜。郁子が帰ってきた。彼女は木村のところへいってきたといった。すべて結着をつけてきた。木村との間には何もなかったといった。深夜、郁子の顔の上へ、剣持の頭がグラリと崩れ落ちた。郁子はテキパキと処置した。木村も来た。郁子は彼に鍵を渡した。裏口の鍵。今夜、十一時にね。女中部屋で、二人は抱き合う。郁子は彼に敏子と結婚して、ここに一緒に住み、開業すればという。木村はそれに従うつもりだ。間もなく、剣持は、その眼を見開いたまま死んだ。--葬式が終った。立派な骨董品は古美術商が争って持って行った。家も抵当に入っているらしい。木村はこの一家から足を抜きたいと思い始めていた。敏子は台所の農薬を郁子の紅茶に入れた。平然としている。婆やのはなが色盲で、ミガキ粉の罐とまちがうといけぬと中身を入れかえていたのだ。そのはなが三人用のサラダに農薬をふりかけた。薬がきき始めた。敏子が倒れた。郁子が眼を閉じた。木村は驚きの眼を見張った。なぜ、自分が殺されねばならぬのかわからなかった。--警察では、夫人は主人の後を追い、それを娘とその婚約者が同情したと解釈した。

関連するキネマ旬報の記事