K金属会社の二年社員曾根健助は、川崎専務から、家内か娘のふさ子に渡してくれと、大切な紙包を渡された。専務宅を訪ねた所、応待に出たふさ子は、紙包の中から現れたドタ靴を見て笑うだけだったが、これは娘の養子をさがす専務が、白羽の矢を立てた健助を、ふさ子に会わせる手段だった。健助は若いのに見合結婚を主張している。同じ職場の快活な女性北岡みさ子が、秘かに彼を愛しているとも知らずに。そしてみさ子は、かつて専務に必要以上に近ずき、専務夫人から注意された恩返しとして、健助を専務に推薦したのだった。たまたま上京して来た健助の母は、話をきいて健助が養子になることを反対し、お前を愛しているのはみさ子さんだと説明する。数日後、ふさ子の誕生パーティが開かれ、ふさ子は健助の大学時代の友人室井敬三と接吻した。それを知った健助は、ヤケ酒をのんで会社を休み、見舞いに来たみさ子を追おうとして、反対に殴られてしまう。翌日、室井から電話がかかり、ふさ子を含めて三人で食事をした。室井とふさ子は健助を追い返そうとするが、彼は知らぬ顔でがんばっている。とうとう怒った室井は、一人で帰ってしまった。その後ふさ子は、健助を無理に自宅へつれて帰ったが、そこにはみさ子が待っていた。