腕利きの宣伝屋ビル・ダンニガンはアイオワの田舎町で巡業団の一座のオルガという娘と知り合った。彼はマーカス・ハリス・プロダクションの宣伝部長に就任し、製作中の「ジャン・ダーク」が、主役のアンナ・クロヴナとハリスが衝突して行き難みとなったとき、オルガのことを思い出し、彼女の抜擢をすすめた。ハリスも彼女が気にいって「ジャン・ダーク」の撮影はオルガの主演で再開されたが、ビルの知遇に感激したオルガは仕事に熱心の余り無理がたたって完成間ぎわに急逝した。ハリスは売り出そうとした無名女優が死んでしまっては商売にならないと、映画の公開を見合わせてしまった。失望したビルはオルガの最後の希望どおり、彼女を故郷の鉱山町に葬るためにやってきた。そのビルの話は鉱山町の教会のパウル神父を感動させ、葬儀の日には町中の鐘を鳴らすことを約束した。ビルはこの機会をつかんで、今は亡きオルガのために最後の宣伝計画をたてた。彼は鐘の鳴る時間に町中の人々を動員させたが、あまり人が集まったため、教会の地盤がゆるんで聖母マリアの像が動くという、奇蹟がおこった。この一事は全米に評判となり、オルガの名前が勇名になったばかりでなく、「ジャン・ダーク」も公開される機縁となった。