東邦大学柔道部主将川上猛は、従妹京子の家に下宿し、荷役の重労働のアルバイトなどしながら、来る城南大学との対抗試合のために稽古にはげみ、京子の母が娘と猛の結婚話に身を入れているのも耳に入らぬ様子だった。京子は家計のためキャバレーで働いていたが、或る夜帰り路でかねて彼女をねらっている与太者杉田とその乾分に襲われた。これを救ってくれたのが、三上の後輩の戸田修一だった。彼は柔道部の選手として腕もたしかな上に、美男で女子学生に人気があった。これを機会に戸田は京子のキャバレーに入りびたり、練習もおこたり勝ちになった。一番心配したのが川上で、試合までは自制するようにと忠告するが、戸田はこれを彼が京子との間を嫉妬してのことと誤解し、遂に退部してしまった。しかし、彼が京子の店で先夜の与太者の襲撃を受けたとき、川上がこれを救って負傷した。戸田は初めて川上の誠意を悟り、出場不能の川上に代って健闘し、東邦大学の覇をなさしめた。