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煙突の見える場所

  • えんとつのみえるばしょ
  • Where the Chimneys Stand/Three Chimneys
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  • 平均評点

    71.8点(116人)

  • 観たひと

    167

  • 観たいひと

    10

  • レビューの数

    27

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1953
公開年月日 1953/3/5
上映時間 108分
製作会社 8プロ=新東宝
配給 新東宝
レイティング 一般映画
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
カラー/サイズ モノクロ/スタンダード
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル
上映フォーマット 35mm

スタッフ

監督五所平之助 
脚色小国英雄 
原作椎名麟三 
製作内山義重 
撮影三浦光雄 
美術下河原友雄 
音楽芥川也寸志 
録音道源勇二 
照明河野愛三 

キャスト

出演上原謙 緒方隆吉
田中絹代 弘子
芥川比呂志 久保健三
高峰秀子 東仙子
関千恵子 池田雪子
田中春男 塚原忠二郎
花井蘭子 石橋勝子
浦辺粂子 野島加代
坂本武 河村徳治
星ひかる 北清作
大原栄子 貞子
三好栄子 灘らん子
中村是好 
小倉繁 金子大助

解説

『文学界』に掲載された椎名麟三の「無邪気な人々」を「二人の瞳」の小国英雄が脚色し、「朝の波紋」の五所平之助が監督した。「春の囁き」の三浦光雄、「吹けよ春風」の芥川也寸志がそれぞれ撮影、音楽に当っている。「夫婦」の上原謙、「秘密(1952)」の田中絹代、「女といふ城 夕子の巻」の高峰秀子、「ひめゆりの塔(1953)」の関千恵子を中心に田中春男、花井蘭子、浦辺粂子、坂本武などが助演する他、文学座の芥川比呂志が参加している。

あらすじ

東京北千住のおばけ煙突--それは見る場所によって一本にも二本にも、又三本四本にもみえる。界隈に暮す無邪気な人々をたえずびっくりさせ、そして親まれた。……足袋問屋に勤める緒方隆吉は、両隣で競いあう祈祷の太鼓とラジオ屋の雑音ぐらいにしか悩みの種をもたぬ平凡な中年男だが、戦災で行方不明の前夫をもつ妻弘子には、どこか狐独な影があった。だから彼女が競輪場の両替えでそっと貯金していることを知ったりすると、それが夫を喜ばせるためとは判っても、隆吉はどうも裏切られたような気持になる。--緒方家二階の下宿人、ひとのいい税務署官吏の久保健三は、隣室にこれまた下宿する街頭放送所の女アナウンサー東仙子がすきなのだが、相手の気持がわからない。彼女は残酷なくらい冷静なのである。--と、こんな一家の縁側に或る日、捨子があった。添えられた手紙によれば弘子の前夫塚原のしわざである。戦災前後のごたごたから弘子はまだ塚原の籍をぬけていない。二重結婚の咎めを怖れた隆吉は届出ることもできず、徒らにイライラし、弘子を責めつけた。泣きわめく赤ん坊が憎くてたまらない。夜も眼れぬ二階と階下のイライラが高じ、とうとう弘子が家出したり引戻したりの大騒ぎになった。騒ぎがきっかけで赤ん坊は重病に罹る。あわてて看病をはじめた夫婦は、病勢の一進一退につれて、いつか本気で心配し安堵しするようになった。健三の尽力で赤ん坊は塚原の今は別れた後妻、勝子の子であることがわかり、当の勝子が引取りに現われた時には、夫婦もろともどうしても赤ん坊を渡したくないと頑張る仕末である。彼らはすつかり和解していた。赤ん坊騒ぎにまきこまれて、冷静一方の仙子の顔にもどこか女らしさが仄めき、健三はたのしかった。……おばけ煙突は相もかわらず、この人達をおかしげに見下している。

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