元相良組の組長相良は、八年の刑を終えて出所し、古巣の銀座に姿を現わした。八年前、大場組の依頼で、土地ブローカー塚本を、部下の花村、井沢らと殺したのだが、その直後、何者かに狙撃された上、警察に密告されたのだった。いま、相良は密告者への復讐しか考えていなかった。井沢は堅気の食料品店主になっていたが、相良より先に出所した花村はかつての事件現場で殺されたという。その犯人は大場組の義足の男ということだった。やがて、大場に会って問いつめた相良は、事件の黒幕が木島産業社長木島であり、木島は塚本の土地を奪うために塚本殺しを仕組んだこと、相良たちを狙撃したのは殺し屋三木であることなどが分った。だが、密告者は誰なのかは分らなかった。相良はそんな時に、殺人直後の現場から井沢が姿を消していたのを思い出し、密告者が井沢に他ならないことを知って愕然とした。一方、相良は木島が密輸、汚職などのメモを、塚本に握られていたことも知った。しかも、そのメモは死んだ花村の手に渡っていたという。そんな時に、相良は木島の手で殺されそうになった。それを殺ったのは意外にも井沢だった。井沢は、密告者と怒る相良に、八年前の時は、密告しなければ木島らに殺されていたはずだ、と言った。相良らに塚本を殺させたあと、木島はその相良を殺そうとしたのだった。その夜、相良はかつての女みや子から、花村が預ったというメモを手渡された。それは木島に致命的な打撃を与える材料だった。一方、木島はことの次第を知って井沢の子供を誘拐したが、子供を救いに来た、相良、井沢と激しい拳銃戦を交えた。しかし、相良は脱出し、メモを警察に渡した。木島はそのために自ら命を断った。