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瘋癲老人日記

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  • 平均評点

    63.7点(42人)

  • 観たひと

    63

  • 観たいひと

    8

  • レビューの数

    11

基本情報

ジャンル 文芸
製作国 日本
製作年 1962
公開年月日 1962/10/20
上映時間 98分
製作会社 大映東京
配給 大映
レイティング 一般映画
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ
メディアタイプ フィルム
音声
上映フォーマット 35mm

スタッフ

監督木村恵吾 
脚色木村恵吾 
原作谷崎潤一郎 
企画藤井浩明 
製作永田雅一 
撮影宗川信夫 
美術柴田篤二 
音楽小川寛興 
録音須田武雄 
照明柴田恒吉 
スチル宮崎忠郎 

キャスト

出演山村聡 老人
東山千栄子 夫人
川崎敬三 浄吉
若尾文子 颯子
村田知栄子 五子
丹阿弥谷津子 陸子
石井竜一 春久
倉田マユミ 佐々木
葵三千子 お静
響令子 お富
小笠原まり子 おハル
中田勉 野村
永井智雄 杉田
藤原礼子 油谷正子
丸山修 油谷茂
大山健二 井上
遠藤哲平 矢野
真杉美智子 山野
毛利郁子 ひろみ
竹里光子 宿の女中
大川修 田端
杉森麟 鈴木
長谷川峰子 鈴木の弟子

解説

“中央公論”連載谷崎潤一郎原作を「やっちゃ場の女」の木村恵吾が脚色・監督した文芸もの。撮影もコンビの宗川信夫。

あらすじ

七十七佐次兵衛歳の卯木督助は、軽い脳溢血で寝たり起きたりの日日を送っている。それに今では完全に不能である。が、--不能ニナッタ老人ニモ或ル種ノ性生活ハアルノダ--と思っている。そんな督助の性と食欲だけの楽しみを息子浄吉の嫁、颯子は察している。ある日、老人がベッドでぼんやりしていると、突然浴室の戸が開き、颯子が顔を出した。「アタシ、シャワーノ時ダッテ、ココ閉メタコトナイノヨ」老人を信用しているからか、入って来いというのか、老いぼれの存在なぞ眼中にないのか、なんのためにそんなことを言うのだろう。夜になりシャワーの音がして来た。幸い誰もいない。老人は浴室へにじりよった。「入リタインデショ、早ク入ッテ……」。老人のあぶない足元が水に濡れてすべりそうになる。それでも颯子の足に取りすがる老人。「足ニ接吻スルクライ、オ許シガ出タッテヨサソウナモノダ」「ダメ! アタシソコハ弱イノヨ」--。「アアショウガナイ、ジャア、モ一度、ヒザカラ下ナラ許シテヤル!一度ダケヨ」その接吻の代償に老人は颯子に、従兄の春久にバスを使わせることを承知させられた。颯子と春久は出来ているのだろうか?……。ある夜、また老人の部屋で颯子と二人になった。やにわに背後から抱きすくめ首筋へ接吻する老人。「オ爺チャン、イヤダッタラ、誰ガソンナコトシロト言ッタノヨ、ネッキングナンテ」いきなり床に手をつき三拝九拝する老人。「ジャ、ナンデモワタシノコトキク?」結局老人は三百万もする猫眼石の指輪をせしめられてしまった。秋が来て、冷たい風が吹き始める。京都へ来て老人にひとつのアイデアが生まれた。自分の墓に仏足石を彫ろうというのだ。その足型は、颯子のものでなければならない。宿で老人はいやがる颯子の足の裏に朱墨を塗り、ちょうど魚拓を作るような足型をとった。何度も何度も良いものが出来るまで異常なまでに続けた。晩秋の卯木家でブルトーザーの唸りが騒々しい。庭の一角にプールを作ろうというのだ。それを見つめる老人の若々しい眼。「プール作ッテネ、ソシタラ、アタシ泳グノ見セテアゲル」。老人はたった一つのこの言葉を何度もくりかえしていた。

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