東京化工に勤務する矢代真理子は、営業課にいる多久孝平にほのかな思いを寄せている。だが、ある日、同僚の悠美子から孝平とはすでに結婚の約束があると聞かされてがっかり。その上、同じ課の石本から一人よがりの一方的な求婚に、ますます大くさりだ。姉の真喜子には、同じ会社の船井という恋人がある。だから、両親の勧める見合などみむきもしない。ちょっとやけぎみの真理子は姉の代りに見合をかってでるしまつだ。見合の当日、レストラン「キャッスル」にでかけた真理子は、相手の青年社長柴北駿太郎の親代りをみて驚かされた。そこには孝平とバー「ホワイト」のマダムがいた。柴北と孝平は学生時代からの親友で、柴北に頼まれて二人が出席していたのだ。孝平も、真理子が柴北の見合の相手としって、あらためて彼女を見直すのだった。柴北は一目みて真理子に夢中だ。ゴルフやドライブに真理子を誘い出すのだった。今や、親友同士の孝平と柴北が真理子のライバルとして対峙し、激しい恋愛作戦が展開された。孝平も負けてはならじと、ホワイトのマダムに恋の手ほどきを習い、真理子の後を追った。一方、孝平を思いつめる悠美子は、孝平の心が自分にないことを知るや絶望して、睡眠薬五十錠をのんでしまった。驚いてかけつける真理子、孝平、石本の前で、悠美子はパッチリ目を開いた。間違えて下剤をのんだのだ。一度死の恐怖にさらされた悠美子の心境は一転した。そして、孝平の心をつかもうとして、孝平とホテルに行ったなど嘘までついたと全部白状した。誤解のとけた真理子の心は、日本晴れだ。恋に悩み愛に苦しんだ真理子自身は、女として素晴らしい成長をしてゆくのだった。