演出家レスター・カニンガムは主役女優のマアゴーに恋をしている。マアゴーのパトロンのビッツァは彼女を取られないために、一つにはマアゴーに与えた宝石を守るために用心棒を雇う。ケイシー・マッカーシーという拳闘家上がりの用心棒は絵心があって漫画などは特に巧みだった。ケイシーは旦那のビッツァの前でも、平気でマアゴーのダンスのお相手をする図々しい男なのですぐに首になろうとした。ところがマアゴーにしてみれば彼あるがためにレスターに口説かれずにすむし、ビッツァのお相手をするのにも楽になるのでうまく旦那を操ってケイシーの首をつないだ。マアゴーはレヴューのスターであるが、純情が残っている立派な性根の女だった。ケイシーも拳闘家や与太者仲間に入ってはいたが、心根は優しい男だった。だから舞台稽古がすんだある夜、二人は郊外へドライブしてから愛し合うようになった。初日も迫ったある日、マアゴーはふとケイシーをからかう気になり、彼を置き去りにしてレスターと二人で場末のビアガーデンへ行った。そこには与太者が網を張っていた。用心棒のケイシーがいないと見るや、連中は拳銃をつきつけてマアゴーが身につけている宝石を奪ってしまった。ケイシーは居合わせなかったとはいえ、彼の面目玉は丸潰れとなったので、悪漢の人相を聞いて宝石奪還を一身に引き受けて出て行った。いよいよ明日はハートフォードで初日の蓋をあけるというので、レヴュー団はニューヨークから列車に乗る。というのにケイシーは現れない。マアゴーがあきらめて車中に入るとケイシーが跳び乗って彼女に宝石を渡し、貴様のような金持ち荒らしには用はないと捨てセリフを残して、緊急信号の紐を引いて汽車を止めて下車してしまった。マアゴーも緊急信号を引いて汽車を止めて降りた。そしてケイシーを追って線路を走って行った。