ヨーロッパの混乱をのがれてニューヨークに来ている某国の姫君マリアは、贅沢なホテルの一人住居にあきあきしている。彼女の後見人である伯父は花婿を決めて結婚してほしいと言うのである、マリアは気に入らず、くさくさしてしまうのである。そこで伯父は彼女の心境を変化させるためにもとサンフランシスコを旅行させる。大陸横断の旅客機上の人となったマリアは、しこたま睡眠剤を飲んだので、機が霧のためニューヨークに引き返して着陸しても眼がさめなかった。操縦士エディー・オルークはいくら起こしても彼女が眼をさまさないので、補助操縦士デーヴとその妻ジーンの助けをかりて、アパートに連れて行き、眠っている美人をエディーのベッドに寝かせた。翌日の午後やっとさめたマリアは、自分は一文なしの避難民だとエディーに告げる。2人は互いに好ましく思い、気早なエディーは結婚を申し込み、とたんに式をあげようと言う。伯父は話しを聞くと姫の幸福のために、この結婚をさせることに決め、伴って来て、マリアの素性を明かす。彼は某然としているまに、マリアの伯父にワシントンに連れて行かれる。結婚式は王族らしく盛大に行われることとなったが、彼は婿君として知らぬ他国に国籍を移すのだと知るとアメリカ国民でいたいのだとタンカをきって式場をとび出してしまう。しかし彼を愛するマリアは、平民のオルーク夫人になりたいと言うので、伯父が眠っている間に抜け出して結婚してしまった。