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幸福の黄色いハンカチ

  • しあわせのきいろいはんかち
  • The Yellow Handkerchief
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  • 平均評点

    79.9点(702人)

  • 観たひと

    1128

  • 観たいひと

    47

  • レビューの数

    101

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1977
公開年月日 1977/10/1
上映時間 108分
製作会社 松竹
配給 松竹
レイティング 一般映画
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ
メディアタイプ フィルム
音声
上映フォーマット 35mm

スタッフ

監督山田洋次 
脚本山田洋次 
朝間義隆 
原作ピート・ハミル 
製作名島徹 
撮影高羽哲夫 
美術出川三男 
音楽佐藤勝 
録音中村寛 
松本隆司 
照明青木好文 
編集石井巌 
製作主任峰順一 
進行玉生久宗 
助監督五十嵐敬司 
スチール長谷川宗平 

キャスト

出演高倉健 島勇作
倍賞千恵子 島光枝
武田鉄矢 花田欽也
桃井かおり 小川朱実
たこ八郎 帯広のヤクザ風
小野泰次郎 農夫
太宰久雄 旅館の親父
岡本茉利 ラーメン屋の女の子
笠井一彦 警官
赤塚真人 チンピラ
統一劇場 フォーク・グループ
渥美清 渡辺課長
谷よしの ホテルの女中

解説

ドーンの作詞・作曲したフォーク・ソングとしても親しまれている、ピート・ハミル原作の映画化。模範囚として六年の刑期を終えた男が、行きずりの若者二人と共に、妻のもとへ向う姿を描く。脚本は「男はつらいよ 寅次郎と殿様」の山田洋次と朝間義隆の共同執筆、監督も同作の山田洋次、撮影も同作の高羽哲夫がそれぞれ担当。

あらすじ

欽也が島勇作と逢ったのは、春の陽差しの強い網走の海岸であった。欽也は自分の車で、北海道の広い道をカッコイイ女の子を乗せて、ドライブするのが高校時代からの夢で、嫌な仕事も無理をして勤め、金をためて新車を買い求めた。東京からフェリーで釧路港へ、そして、あざやかな緑の根釧原野を欽也の赤い車は、ラジオの軽快なリズムに合わせて、ひた走った。欽也は網走の駅前で、一人でふらりと旅に出た朱実と知り合う。朱実は列車食堂の売り子で、同僚から誤解を受けて、やけくそになって旅に出たのだった。朱実は欽也の車に乗せてもらったものの、海岸で不意に欽也からキスを求められて、車から飛び出した。逃げ出した朱実をかばい、鋭い目付で欽也を睨んだ男、それが島勇作であった。欽也から見た勇作は、なんともいえない、いい男だった。しかし、欽也は啖呵を切った行きがかり上、勇作に挑むが、軽くあしらわれてしまう。そんなことがきっかけで、三人の旅は始まった。欽也が勇作に行く先を尋ねると、彼は暫らく考え、「夕張」と答えるだけだった。その夜、三人で泊まった宿で、欽也は、勇作が眠ったのを見定め、朱実の寝床に忍び込む。朱実は必死に抵抗し、大声で泣き出したため、目をさました勇作に、欽也は一喝を喰わされてしまった。翌日、欽也は毛ガニを買いこみ、一人で二匹もたいらげたことから、腹をこわしてしまう。車を運転していても、便所のあるところを見つけてはかけこむ始末である。そんなことで、十勝平野の美しい風景も欽也には共感が湧いてこなかった。大雪山が見える狩勝峠で、強盗犯人が逃亡したことから一斉検問が行なわれていた。欽也は免許証を見せるだけで済んだが、警官は勇作を不審に思い質問すると、一昨日刑期を終え、網走刑務所を出所したと彼は答えた。朱実と欽也は驚きのあまり、語る言葉もなかった。三人はパトカーで連行されるが、勇作が六年前、傷害事件をおこした際立合った温厚な渡辺課長の取りはからいで、何もなく富良野署から釈放される。走る車の中で勇作は重い口を開いて、朱実と欽也に過去を語り出した。 --勇作は若い頃、九州に住んでいたが、三十歳を過ぎて考えを変え、夕張の炭抗で働らき始めた。その頃、町のスーパー・マーケットで働いていた光枝と恋をして結婚した。それから数年は幸福な日が続いた。そして光枝は妊娠するが、折角出来た赤ちゃんを流産してしまった。その夜、勇作は飲み屋で酔っぱらったチンピラに因縁をつけられる。あまりのしつこさに勇作は腹をたて、相手を殴ると、チンピラはそのまま死んでしまう。勇作は六年間、刑務所で過すが、光枝の面影は、勇作の心から離れなかった。刑期を終える直前、勇作は光枝に手紙を書いた。「俺は、お前が良い男と再婚して、幸せになっていることを望んでいる。この手紙がつく頃、俺は夕張に行くが、もしも、お前が今でも独りで暮しているなら、庭先の鯉のぼりの竿の先に黄色いハンカチをつけておいてくれ。そのハンカチを見たら俺は家に帰る。でもハンカチがなかったら、俺はそのまま夕張を去っていく」と。--その話を聞いた朱実と欽也は声をふるわせて泣いた。車は赤平、歌志内、砂川を過ぎて一直線に夕張に向かう。朱実と欽也の祈りをこめて、車は夕張の町に近づいた。しかし、勇作は引返そうと言い出す。陸橋を越え、車は大きくカーブを描き、街の坂を登っていった。その時、欽也と朱実の眼に映ったものは、角の家の狭い庭先に、不釣合いな高い旗竿の上から下まで並んだ何十枚もの黄色いハンカチであった。欽也と朱実は手と手を固く握りしめる。黄色いハンカチのなびく家から、光枝は出てきた。語りきれない愛の言葉を胸に秘め、静かで温かな勇作の眼は、じっと光枝を見つめている。六年の歳月も、二人を離すことはできなかったのだった。

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