一九七七年の夏。神秘のベールに覆われた富士の青木ケ原樹海で若い女性が、発見された。女は、息をひきとる直前に、大きな卵が……と謎の言葉をのこして死んだ。そのニュースを知った芦沢節は、ただちに、富士へ向う。一方、節の恋人、女性カメラマンの亜希子も西湖の湖底を撮るため、助手の園田淳子を連れて富士に来ていた。若い男女が湖面ではしゃいでいると、突然、乗り物がひっくりかえり、湖水に投げだされた男女が、行方不明になってしまった。怪奇な事件が相次ぎおこり、湖畔の足和田村に不気味な恐怖がただよい始めた。八月二日。竜神祭りの日。人気ディスクジョッキーの諸口あきらショーが始まった時、沖合に黒いヒレが横に動き、群衆は口ぐちに恐竜ダーと叫びながら逃げまわる。節がとめるのもきかずに、亜希子と淳子は最後の写真を撮るために、水中に潜った。ボートの上で待つ淳子は、突然、下半身を食いちがられる。西湖はこの事件以来、立入り禁止。節は、西湖と精進湖は地下でつながっているのではないかと考え、亜希子と水中に潜る。一方、対策本部は、湖水に爆弾を投げこむことを決定。次々におきる衝撃音に危機に陥込んだ二人は、偶然にも、二つの湖を通じるトンネルを発見。そこには、太古の生物が生きていた。やっとのことで地上に出た二人に、襲いかかる恐竜。絶対絶命と思われた時、怪鳥が恐竜に襲いいかかり凄烈な死闘をくりひろげる。すると、突然、富士山が大噴火を起し、大地に大きな亀裂が走り恐竜、怪鳥ともども落ち込んでいった。大地は、いつまでもうなりをあげていた。