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サチコの幸

  • さちこのさち
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  • 平均評点

    59.9点(18人)

  • 観たひと

    32

  • 観たいひと

    6

  • レビューの数

    2

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1976
公開年月日 1976/12/25
上映時間 87分
製作会社 日活
配給 日活
レイティング
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ カラー/ビスタ
メディアタイプ
音声
上映フォーマット

スタッフ

監督武田一成 
脚本出倉宏 
原作上村一夫 
企画成田尚哉 
製作岡田裕 
制作補田中雅夫 
撮影安藤庄平 
美術菊川芳江 
音楽ムーンライダーズ 
録音紅谷愃一 
照明高島正博 
編集井上治 
助監督黒沢直輔 
スチール浅石靖 

キャスト

出演三浦リカ サチコ
丸岡晴久 ケン
寺尾聰 広沢
高野浩之 次郎
佐久田修 武彦
浅香光代 女将
永島暎子 ヨシコ
悠木千帆 モモエ
絵沢萠子 みずえ
泉じゅん ユミコ
鈴木ヒロミツ 中田
小鹿番 桃谷
丸岡奨詞 
坊屋三郎 おまわりさん
ジョー・ラーカー ジョージ
三浦洋一 片岡
木島一郎 刑事A
小林亘 刑事B
雪丘恵介 本屋の老人

解説

上村一夫の同名劇画をもとに、焼け跡の新宿に咲いた一輪の花・サチコの哀愁の青春を描く。脚本は「キャンパス・エロチカ 熟れて開く」の出倉宏、監督も同作の武田一成、撮影は「幼な妻絶叫!!」の安藤庄平がそれぞれ担当。

あらすじ

昭和二十六年ごろ、新宿二丁目。若者達から可愛いい天使のような娘と呼ばれていたサチコがいた。サチコは自分に〈今にきっといい事がある。〉と言いきかせて生きていた。親に捨てられたユミコ、ジョージという進駐軍にほれ抜いているヨシコ、その他モモエ、みずえ皆、一つの店で精いっばい生きていた。その夜も中年男の中田や早稲田の学生など、サチコの稼ぎは二〇〇〇円。そんな所へ母にあいに来たと、武彦という青年があがって来た。武彦はただ壁に向ってひとこと言った。ここの女将が彼の母であると。サチコのはからいで女将と武彦を会わすと、女将はしらぬぞんぜぬで武彦を厳しく追いかえそうとした。武彦はただ絶望的に泣き伏した。サチコは自分の部屋で彼をやさしく抱きしめた。古いビルの前で、靴みがきをやっている次郎少年と仲良しになったサチコは、次郎の家のドラムカン風呂で、その夜の客・片岡にだまされた心の傷をいやした。サチコの裸身を見ただけで、次郎は発射してしまった。サチコは風呂の中で初恋の人・ケンを想い出していた。終戦直後の焼け跡。サチコはそこで変な男に襲われた。そこを通りがかりのケンが助けてくれた。サチコが十四、ケンが十六の時である。やがてケンはサチコに心配いらない、親父は刺青の彫師だったんだと、腕をまくり、『幸』という字を彫り始めた。二人の淡い愛がしばらく続いた。そんな時、ケンは仲間のやくざにつれていかれた。一ヵ月たっても帰ってこなかった。待ちくたびれたサチコの行く先は二丁目しかなかった。次郎はそんなサチコの話をうっとりと聞いていた。店に帰ってみると桃谷という男が押入れの中で長居していた。彼はリュックにカストリ雑誌をいっぱいにつめて持っていた。それを売って金にするというのである。サチコは桃谷のかわりに、炎天下の中をリュックをかついで知り合いの本屋へと急いだ。これを見た行きずりの男・広沢は強引にサチコからリュックを取り上げて、さっさと本屋に入っていき、こういうやばい仕事はやめなさい。といいお金を渡し、何処ともなしに消えた。お金を持って帰ったサチコに桃谷は涙を流して喜んだ。彼はついに歌までうたい出した。しかし、それも刑事にふみこまれてプッツリ消えた。桃谷をたずねて、暗闇からとび出して来た男がいた。ケンだ。しかし、ケンは『幸』という刺青をナイフで切り刻みサチコの前から姿をけした。映画の看板「また逢う日まで」がサチコの涙をさそった。不景気風にあおられて、二丁目をしけた客の顔が通りすぎた。サチコも、モモエも、みずえもみんな真剣に呼びこみを続けた。そこへ偶然、広沢が通った。二人はその夜、旧知の知り合いのように語りあかした。広沢は毎週月曜と金曜には必ず来ると言って帰った。金曜日、広沢が札束を抱えてやって来た。そして、いきなり結婚を申し込んだ。サチコは頬を上気させて呆然となった。女将、ヨシコ、モモエ、みずえ、皆がサチコのために祝盃をあげてくれた。そんな華やいだ夜、ヨシコがなじみの進駐軍にさされて死んだ。禍福さまざまな新宿二丁目である。広沢のことを知らないケンが、次郎にサチコの結婚資金を託した。武彦はサチコの結婚の話を聞いて、泣きふした。そのたびにサチコの心は痛むのであった。バラックの入口に、「広沢幸雄」「サチコ」の表札。広沢の仕事仲間の六も、奥さん奥さんとやさしかった。サチコの胸に幸せがふくらんだ。なれない炊事もご愛嬌であった。だが、広沢が仕事に出て、サチコとふたりきりになったとき、六の男が目をさました。サチコは六に押し倒された。六に犯されたサチコは、自分の帰るところは、やっぱり二丁目しかないと考えた。そして、広沢には、二人のたのしかった生活のお礼を手紙にして残して来た。いつものように、新宿で靴みがきをやっている次郎の前に、突然、サチコがたっていた。次郎はおどろき、サチコに事情をきいた。しかし、サチコはなにも話さずただ、二丁目に帰ってきたのサと言った。

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