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鬼の詩

  • おにのうた
  • The Song of the Demon
  • The Song of the Demon


  • 平均評点

    68.1点(37人)

  • 観たひと

    57

  • 観たいひと

    2

  • レビューの数

    11

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1975
公開年月日 1975/8/16
上映時間 93分
製作会社 鐵プロダクション=ATG
配給 ATG
レイティング 一般映画
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ カラー/ビスタ
メディアタイプ フィルム
音声
上映フォーマット 35mm

スタッフ

監督村野鐵太郎 
脚本藤本義一 
杉浦久 
村野鐵太郎 
原作藤本義一 
企画神田末茂 
製作村野鐵太郎 
本郷淳 
多賀祥介 
撮影吉岡康弘 
美術上野克 
音楽林光 
録音太田六敏 
照明大石弘一 
編集中静達治 
助監督中島芳人 
スチル吉岡康弘 

キャスト

出演桂福団治 桂馬喬
片桐夕子 
露乃五郎 桂露久
中原早苗 お藤
信欣三 鍼灸医
井川比佐志 馬喬の養父
本郷淳 せん馬
早川雄三 月亭文都
伊達三郎 仁輪加
入江洋佑 医師
蛍雪太朗 文雀
一輪亭花咲 詩吟師
浮世亭歌楽 剣舞師
特別出演笑福亭松鶴 
藤本義一 

解説

明治末期の大阪の寄席で活躍した桂馬喬を主人公に、上方芸人の芸に対する執念と壮絶な生涯を描く。原作は藤本義一の同名小説。脚本は藤本義一と杉浦久、監督は脚本も執筆している「富士山頂(1970)」の村野鐵太郎、撮影は「夜にほほよせ」の吉岡康弘がそれぞれ担当。

あらすじ

ほんの一刻、明治の末に、大阪の寄席で桂馬喬は居並ぶ大家の落語より人気を集めた。桂馬喬は桂馬狂ではないかといわれた。まさにその芸は狂であった。しかし、もともと狂っていたわけではない。孤児の馬喬は養父の遺志を継いで芸人となった。最初の彼は古典一途の生真面目な落語を披露していたが、お茶子の露との結婚を境に、積極的な性格に変った。それまでの馬喬は手踊りと芝居咄しを得意とする人気落語家・桂露久の芸を邪道として軽蔑していたのだが、今の彼は、露久の芸を盗み、己れの芸にすべく、一挙一動を真似るのだった。そんなある日、突然、露が流産で死んだ。その日から馬喬の姿が消え、一カ月後、まるで幽鬼のような姿で現われた。以後、馬喬は、幽鬼のような姿で、盲目の乞食巫女を演じ、客席は涌いた。しかし不幸なことに馬喬は天然痘にかかってしまった。病は癒えたが、その顔は無残なあばた顔に変形した。だが、馬喬の芸への執念は、自らの顔を利用した鬼の咄しを考え出して、高座に復帰した。客は馬喬を鬼に見たてて、自分たちが高座の鬼をいじめている錯覚におちいるのだった。他の誰もが真似できない芸を馬喬は己れのものとした。客の馬喬に対する加虐趣味はエスカレートし、ついに馬喬は自分の歪み窪んだあばた顔に煙管を吊した。今日は一本、明日は二本と、客は何本の煙管を吊るすかという期待で集って来た。煙管の林の中に鬼の泣き笑いの顔があった。一本でも多く吊るそうと、馬喬は顔の窪みを深くするために、食を絶った。馬喬が自らの顔に十数本の煙管を吊して、露の位牌の前で死んでいたのは、それから間もなくの事だった。享年、35歳でだった。

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