滝蓮三郎、二十五歳。表向きはごく普通のサラリーマンだが、人間世界とその闇にひそむもう一つの世界、魔界との間の平穏の維持を任務とする闇ガードだ。麻紀絵は魔界側のガード。人間世界と魔界との接触は、人類の歴史と共に歩んで来、一見平穏にみえる関係も、陰では凄絶な戦いの歴史でもる。そこで、二つの世界は互いの調和と共存のため、秘かに不可侵条約が結ばれる。五百年という長期に渡るものだ。その調印式のため、イタリアの伝道士ジュゼッペ・マイヤーが招かれ、彼の護衛に滝と麻紀絵が選ばれた。なんとか、この調印を阻止しようと、魔界から次々と刺客の妖獣どもが彼らを襲う。好きもののジュゼッペはじっとしておらず、女あさりに街へ出たがる。滝らのガードも大変だ。しかし、ついに最後の妖獣を倒し終えた時、ジュゼッペは滝と麻紀絵に、本当の計画を打ちあける。つまり、二つの世界が共存するためには、両世界の混血の誕生が必要だ。しかし、この条件を満たす人間と魔物は数少ない。滝と麻紀絵を恋におちいらせ、子供をつくらせることがジュゼッペの任務だったのだ。今、その計画は成功した。滝と麻紀絵、そして、その産まれくる子供--。人間世界と魔界との新しい時代が始まる。