一九八六年、ジャン(シリル・コラール)はビデオカメラを片手に、モロッコをさまよっていた。その年の四月、彼はパリに帰って来る。病院でエイズの検査を受けたジャンは、そのままコマーシャルの撮影に出掛ける。コマーシャルのオーディションにはローラ(ロマーヌ・ボーランジェ)が来ていた。ジャンは、レンズの中のローラにひと目惚れする。しかし、バイ・セクシャルのジャンは、ローラのことが気に掛かりながらも男友だちのサミー(カルロス・ロペス)を誘ったり、夜の街をさまよったりするのであった。ある日、ジャンはローラと連絡を取り、思いを伝える。自分がエイズであることを告白できずにローラと結ばれてしまったジャンは、友人のマルク(ルネ・マルク・ビニ)に相談するが、マルクは勇気を出せと注意する。ローラの一八回目の誕生日の日、ついに自分がエイズであることを告白するジャン。ローラはパニックに陥るが、傷付くのと同時にジャンを深く愛していることを確認する。だが、パーティーでサミーと会ったローラは、ジャンとの仲を嫉妬して大喧嘩をする。傷つけ合うことが多くなった二人は、ほとぼりが冷めるまで会わないことにする。ジャンは、ローラがいなくなると死への恐怖から再び、男を求めて夜な夜なさまよい始める。サミーはジャンと一緒に住むために、恋人マリアンヌ(クレマンティーヌ・セラリエ)のところへ荷物を取りに行く。マリアンヌは運転手として来ていたジャンを「私の男を盗るつもり?」となじる。ニースのおばあちゃんのところから帰って来たローラは、ジャンの留守中に部屋を訪ね、サミーに関係を問いただす。口論しながらもサミーに興味を覚えたローラは、帰って来たジャンと共に三人で食事をする。ジャンは刻一刻とエイズに冒されながらも、さまざまな人間の間を行き交う。ローラもエイズへの不安と恐怖、そしてジャンへの愛のはざまで混乱する。車を飛ばしてポルトガルまで行き着いたジャンは、夜が明けるまで考え悩む。そしてローラに電話して彼女への愛を伝えるのだった。