1942年、ナチス占領下のパリ。映画館でユダヤ人の陰謀を糾弾するニュース映画が終わり、吸血鬼映画が始まった。馬鹿げた内容に怒り出したプチオ医師(ミシェル・セロー)はスクリーンを破り、映像を通り抜けて診療室へやって来る。彼はユダヤ人のナタン(ズビグニエフ・ホロクス)にアルゼンチンへの逃亡を世話してやると約束する。夜、買い取ったホテルにナタンを連れ込んだプチオはアルゼンチン入国にはワクチンの接種証明が必要だと偽り注射をし、一室に閉じ込めてしまう。プチオは、時々のぞき穴から苦しむナタンの姿を観察しながら、陽気なバンドネオンのレコードをかけて踊り出す。こうしてプチオはユダヤ人たちをだましては殺戮して金品を強奪、狂気の犯罪を繰り返す。犠牲者の数は、30名以上だった。しかし、プチオが犯行に使ったホテルから異常な黒煙が出たことによって犯行が露見する。その後、プチオは偽名を使い捜査の手を逃れ、その犯行は世界的ニュースとなっていった。1944年、連合国のパリ入城後、彼はアメリカ軍の抗独派レジスタンスになりすまし身を隠すが、新聞の「プチオはナチス」との記事に抗議の投書をし、その筆跡から正体がばれる。映画館で警官たちに追われ、またスクリーンの中に飛び込もうとするが、今度は逃げらず逮捕される。そして46年処刑された。