アダナという町で乗り合い馬車の御者をやっているジャバル(ユルマズ・ギュネイ)は、早朝から駅で客待ちをしているが、なかなか客がつかない。家では五人の子供を抱えた妻のファトゥマ(ギュルセン・アルヌマチュク)が生活苦から彼に愚痴をこぼす。貧しさの中で、ジャバルの唯一の夢は宝くじだった。ある日、ジャバルは事故で一頭の馬を失い、残った馬と馬車も借金のかたに持っていかれてしまう。困り果てた彼は友人のハサン(トゥンジェル・クルティズ)と強盗を働くが、逆に相手にやられてしまった。町で乗り合い馬車禁止反対のデモが行なわれる頃、ハサンが宝探しの話を持ってくる。ジャバルは最後の望みをかけ、ファトゥマの嘆きをよそに、聖職者(オスマン・アルヤナク)とハサンの三人でジェイハン川に出かけるが、夜昼かまわず掘っても何も出てこなかった。ジャバルは気が狂ったように自分たちの境遇をのろうようになる。