やくざの使い走りに身をやつす“先生”と呼ばれる元弁護士の男(ジャンカルロ・ジャンニーニ)は、情婦のミレナ(ラファエラ・バラッチ)の堕胎のため海辺の町に立ち寄る。旅館《スナックバー・ブダペスト》に宿を定めた彼はそこでボスの指令により町を仕切るモレコラ(フランソワ・ネグレ)のもとへ集金に出向くが、目の前に現れたのは16歳の怪しげな美少年だった。“先生”を一目見て気に入ったモレコラは町をラスベガスのような巨大な歓楽街に改造する計画に一枚加わらないかともちかけ、彼を娼婦たちを集めての盛大なダンス・パーティーに招待する。札束に目のくらんだ“先生”はやくざ仲間のサポ(フィリップ・レオタール)を呼びよせ、《ブダペスト》の乗っ取りをたくらむモレコラの言うままに、その手下パペラも加え経営者一家の追い立てに乗り込むが、その時“先生”を過去の忌まわしい記憶が襲う。経営者の妻はかつて彼が弁護士をやめる原因となった女だったのだ。血迷って逆にパペラを殺してしまった“先生”とサポは町の英雄のマラソン選手を迎える祭の花火の中、モレコラの手下の娼婦たちの銃撃にさらされるが、その囲みを抜けた“先生”は単身モレコラのもとに向かって彼を倒す。しかしその頃既にミレナはモレコラの手によって殺されていた。ミレナの亡骸を抱いた“先生”はサポと共にバイクに乗って悪夢のような夜の明けた町を出てゆく。