1818年、オーストリアのオーベンドルフ村にやってきた若きモア神父(スティーヴ・ボンド)は、不幸な生い立ちながら純粋無垢な心を持つ美しい娼婦マグダレーナ(ナスターシャ・キンスキー)に魅かれてゆく。しかしその愛は彼にとって許されないものだった。村の権力者フォン・サイドル男爵(デイヴィッド・ワーナー)はマグダレーナにモアと姦通したという告白書にサインするよう脅迫し、誤って彼女に大怪我をさせてしまうが、やましい所のないモアの教えによって考えを改めてゆく。村に静けさが戻ってきたクリスマスの夜、故障して限られた音しか出せなくなったパイプオルガンで少年たちに賛美歌を歌わせようとするモアの努力があの“きよしこの夜”を生み出した。そのシンプルで禁欲的な響きに呼応するようにモアもまたマグダレーナへの純粋な愛を胸に秘めながら、一人雪の中へ去ってゆく。