七月のパリ。モンパルナスのカフェで偶然出会ったリュカ(ジャック・デュトロン)とブランシュ(ソフィー・マルソー)はたちまち恋におち、彼はブランシュを追ってリゾート地ビアリッツへと向かう。コンピューター用語システムのエンジニアであるリュカは、脳を謎のウィルスによって冒されており、恐怖から絶望的にしゃべり続けている。一方のブランシュは、ホテルのナイトクラブで透視ショーをする超能力者で、彼女はこのショーでパートナーを務めている夫のフランンワ(サディ・ルボット)や、いつも若い男を物色している派手好きな母(ヴァレリー・ラグランジュ)、得体の知れない取り巻き連中の存在にうんざりしていた。リュカは海添いのホテル・ドゥ・パレのスィート・ルームでブランシュを迎える。そしてふたりは、そこで思う存分激しく抱き合い、愛しあった。ブランシュは、死の恐怖に怯えるリュカから、彼の悲惨な少年時代を聞かされる。リュカの父は、湖で他の男と全裸で泳ぐ妻の姿に嫉妬し、ふたりして溺死の道を選んだのだった。そしてそれを聞かされた時から、ふたりの愛は死へと向かっていた。そしてリュカは、透視ショーの最中に錯乱状態になったブランシュを抱え、夜明けの海へ、深く入り込んで行くのだった。