チャリティ・コンサートのレセプションに出席したクリスティ・ブラウン(ダニエル・デイ・ルイス)は、看護婦のメリー・カー(ルース・マッケイブ)に、自作の『マイ・レフトフット』を読ませる--。'32年、アイルランドのダブリンの煉瓦職人ブラウン夫妻(レイ・マカナリー、ブレンダ・フリッカー)の10番目の子供として生まれたクリスティは、生まれながらに脳性小児麻痺に冒されていた。幼い頃のクリスティ(ヒュー・オコナー)は、ある日臨月を迎えた母が階段から落ちたことで、かろうじて動く左足で必死に扉を叩き、近所の人を呼ぶが、誰もクリスティのおかげと気づく者はいなかった。また別の日、兄弟たちが勉強する姿を見ていたクリスティは、左足にチョークをはさみ、文字を書いた。こうしてクリスティは、外の世界とふれあう手段を得たのだった。思春期のクリスティ(ダニエル・デイ・ルイス)は、遊び仲間の少女に恋をしたり、母から車椅子を買ってもらったりした。そして脳性小児麻痺の専門医アイリーン・コール(フィオナ・ショウ)と出会ったクリスティは、彼女の指導で言語能力と身体の機能を開発させてゆく。そしてクリスティの絵の個展の日、アイリーンは婚約していることを彼にうちあける。秘かに彼女を愛していたクリスティは、失意から自殺を企るが、不自由な身体ではうまくゆかなかった。'57年、父が死に、クリスティは自伝『マイ・レフトフット』を書き、ベストセラーになった--。この本を読んでクリスティの才能と真心に心揺さぶられたメリーは、やがて彼と結婚することになるのだった。