ロザリンドの父は或る国の王であったが、弟のためにアーデンの森に追放され、彼女は人質として叔父の邸に留められ、僅かに優しい従妹セリアに慰められていた。ある時邸内で有名な勇士チャールズと見知らぬ若い男オーランドが力競べをやる事になった。オーランドとその弟オリヴァーはロザリンドの父の家臣であった者の子供であったが、兄弟は互いに憎しみ合っていた。ロザリンドとセリアは人殺しの異名あるチャールズと闘う事を止めてくれと頼んだが、一目でロザリンドを恋したオーランドは勇躍チャールズに向かい激しい争いの後勝利を得た。之を嫉妬したオリヴァーはオーランドが前王に忠節を抱く者であると王に告げ、ために彼の命は危うくなった。賢明なロザリンドはセリアを説いて王に彼に罪のない事を説得せしめて事なきを得た。ロザリンドは父を尋ねて百姓の少年に変装し、同じく百姓娘になったセリアを伴って森へ行った。オーランドも王を探して森へ入り、小枝に恋の歌を書いて下げ、幹にロザリンドの名を彫んだ。男装したロザリンドはガニメードと名を変え、森でオーランドに会ったが彼はこの少年が自分の恋人である事には気が附かない。羊飼いの娘オードリイがガニメードに恋をした。こうして森の中で恋の悲喜劇が続けられている頃、オリヴァーも此処へやって来た。彼は木蔭で眠っている時、毒蛇と飢えたる獅子に襲われたが、オーランドは我を忘れて彼を助け己れはそのために傷いた。オリヴァーは今更の様に自分の不実を悔い、優しく慰めてくれるセリアと恋に落ちる。四人は遂にロザリンドの父が臣下と共に森の中に別天地を開いて楽しく生活しているのに会う。ここでロザリンドは元の様にガニメードから女の姿に帰り、間もなく彼女とオーランド、セリアとオリヴァーの二組の結婚式が挙げられ、祝宴の声は森一杯に木魂したのであった。