埃及学者モアラント教授は臨終の床に侍僕のレイングを呼び、「永劫の光」と呼ぶ宝石を自分の掌に入れて包帯を巻かせた。彼はこうする事によって天国へ行けると信じていたのである。そして彼の死体は埃及風の墓場に葬られた。レイングはこの宝石はモアラント家の相続者たる教授の甥ラルフ及びベティー・ハーロウに与えらるべきものとの考えから盗み出してしまった。ところがこの宝石を狙うものにモアラント家の法律顧問ブロートン、アラビア人ドラゴレ等があった。彼等は巳にモアラント教授の死体から「永劫の光」が盗み去られたことを知り、暗中飛躍を始めた。ラルフは叔父が死んだことも通知に接せず、葬式にも立会はされなかったので、ブロートンを訪問した末、ベティーとその友人のケイニーと共にモアラント邸に乗込んだ。これより先き、レイングはベティーに「永劫の光」を渡そうとして果たさなかったのである。その夜は丁度満月の夜だった。故教授はもしも「永劫の光」を奪う者あらば、満月の夜に蘇って取殺すと宣誓していたが、満月が墓場の扉に光を投げた時、モアラント教授の姿が音もなく扉を開いて現れた。そしてレイングは蘇生した教授の手に扼殺されて最後を遂げた。教授は「永劫の光」を奪い返すや、墓場に戻り、埃及神像の掌にそれを乗せて、狂信者の法悦に浸って死んでしまった。そして遂に「永劫の光」を狙う人々の争闘が始まったが、悪漢達は駆けつけた警官隊に捕えられ、ラルフとベティーに宝石は与えられた。