叔母のフロランチーヌ(A・ヴァリ)と住むためスペインの山村によばれたユルシュラ・ディフォンテーヌ(B・バルドー)は、途中の村で車中にランベルト(S・ボイド)という男を救けた。彼の妹は叔母の夫リベラ(P・ニエト)に捨てられ自殺したという。家につくとランベルトは叔父を詰問したが、叩きのめされ、フロランチーヌの介抱をうけた。ユルシュラはなにか嫉ましさを感じた。やがて血をかきたてる南国の夜、叔母は夜ごとにランベルトを自室に誘いこむようになった。ある夜、彼は忍びあいの途中、庭で叔父リベラに会い、これを殺した。叔母の部屋を出る彼を見て、ユルシュラは、今は彼女も彼を愛していることを知った。叔父殺し捜査の警察の活動が始まり、手錠をかけて連行されようとしたランベルトは隙をみて逃走した。ユルシュラは自動車でこれを追い、荒れた水車小屋でヤスリをひろい手錠を切り、彼と国境の村へ逃れた。しかしランベルトの身の上を知ると村人達は二人を追出した。叔母フロランチーヌは警察とともに二人を追っていた。食料を求めて強盗を働いたランベルトは、危くユルシュラのもとに逃げ帰ったが、このままでは彼女を不幸にすることを考えて、密かに叔母フロランチーヌに連絡をとりユルシュラを引渡すことを申出た。国境への道を発見したと偽って彼は彼女を集落の一本道につれ出した。そこには叔母と警官が待っていた。彼の心を知ったユルシュラは帰るのを嫌がった。警官の姿が近くなる、危険を感じたランベルトが思い切って立去ろうとした時、警官の拳銃が一斉に火をふいた。しかし、弾をうけて倒れたのは、彼をかばったユルシュラだった。古びた石畳の上に息絶えて横たわる彼女を、呆然と見つめるランベルトの手に、再び冷たい手錠がかけられた。