かつて人気・実力ともに最高の地位を得ながら、牛に身体を突かれ引退を余儀なくされたディエゴ・モンテス(ナチョ・マルティネス)のもとで闘牛を習うアンヘル・ヒメネス(アントニオ・バンデラス)は、ある夜ディエゴの愛人でもある女友達エヴァ(エヴァ・コーボ)を路地裏で犯し、翌日警察に自首し男らしさを証明しようとした。しかしエヴァが自分を訴えるつもりのないことを知ったアンヘルは、最近起こった数々の未解決の殺人事件の犯人であるという嘘の自白を始める。アンヘルの事件を担当する女性弁護士マリア(アサンプタ・セルナ)は、ディエゴを尊敬し崇拝していた。これをきっかけに二人は出会い、やがて彼らはお互いが殺人にしか生の喜びを感じないことを知る。アンヘルが自白しているのは、彼ら二人の犯行なのだった。事件を捜査するデル・バレ警部は、怪我人の血を見て失神するアンヘルが犯人でないと確信し、次第にディエゴとマリアを疑い初めていた。そして捜査の手が及んで来たことを察知した二人は、総てを清算するためにマリアの別荘で最期の悦楽と欲望の時を過ごした後、心中するのだった。