一九四五年。シンガポールのチャンギ捕虜収容所には、英、米、オーストラリアの捕虜たち一万人が収容されていた。日本軍は捕虜たち自身に内部を統制させていたが、英軍の憲兵司令官グレイ中尉(T・コートネイ)は、やせこけた捕虜たちの中に一人悠然とかまえた米軍伍長キング(G・シーガル)を嫌っていた。彼はいつも良いものを着、栄養をとっている。彼は要領よく収容所に生きているのだ。手下をつくり、どこからか集めてきたタバコや卵で仲間をふやしていく。配給食料をごまかしていた兵隊は、その事実が発覚した翌朝、死体となってみつかった。自殺ということで始末された。だれも責めることは出来ない。皆が生きていくためなのだ。米軍の小屋では、キングの仲間たちが鼠を生け捕りにした。繁殖させればその肉を捕虜たちに売ることができる。グレイは所内の平和のためにキングの不正をただそうとするがいつも誰かにはばまれる。皆ただ食うことだけに懸命で、キングの味方になってしまっている。鼠もしだいにふえ、仲間にオーストラリアの下士官も入って来た。手始めに将校たちに鼠の肉を売ってみた。結果は上乗。空軍中尉のマーロウ(J・フォックス)が仕事中に怪我をし、腕を切らなければなければならなかった。キングは彼に原地人とダイヤの取引きをする通訳を条件に、薬を手に入れてやると言った。グレイが現場を襲ったが、結局はウヤムヤになった。それでもキングはマーロウの命を助けるために、どこからか薬を手に入れてきた。マーロウは回復、金ももどり、ダイヤも原地人に返された。そんなある日、終戦が知らされた。もう誰もキングの言うことを聞かない。キングは収容所という環境の中でしか生きられなかったのだ。