ポオル夫妻経営の衣裳店に、フランソワズ(ダニー・ロバン)は働いていた。忙しいクリスマス・イヴの日、夫妻は出かけ、同僚のモニクも早く帰った。一人のこった彼女が、十時になったので店を閉めようとしていると、昼間香水を買った男(ジャン・マレー)がモニクを訪ねてやってきた。目当てのモニクがいないので、男はフランソワズを誘った。二人で酒場に入り、いつもは淋しい彼女もたんだん朗らかになってきた。マルセルというその男は、フランソワズを衣裳店に連れかえってすっかり衣裳を揃えてくれ、金庫に十八万フランの紙幣を入れた。盛装して見ちがえるほど美しくなったフランソワズは、マルセルと夕食を共にし、踊った。そこで会ったマダム・ポオルは彼女が衣裳を盗んだのではないかと疑ったが、彼が釈明してくれた。すっかり酔ったフランソワズを送り届けて、マルセルは飛行場に行ったが、乗るつもりの飛行機は発ったばかり、マルセルはフランソワズのところへ戻ってきた。翌日おそく眼覚めた彼女はマルセルがいることをはじめて知った。その日、二人は夢のように一夜を過した。いよいよ別れの時がきて、マルセルは意外の告白をした。前夜の金はにせ札だったというのだ。一人淋しく店に帰ったフランソワズは十八万フランを下水にすてた。そしてマルセルが揃えてくれた衣裳をきちんとたたんで、元の位置にならべた。