ここ数年イタリアのミラノには悪質で、しかも兇悪な犯罪が続発するようになっていた。美しい田舎娘を娼婦にし、あげくのはてには、ガソリンをかけて焼き殺す、といった事件さえ起っていた。そして夜の商売には、用心棒と称する暴力団員が、にらみをきかしていた。そして銀行強盗も盛んであった。三人組の強盗団が、ミラノやナポリの銀行を次々と荒していったが、彼らには前科がないので警察も、なかなか捕えることが出来ない。首領格はキャバレロ(ジャン・マリア・ヴォロンテ)ほかにはノタルニコラ、ロボレットらである。彼らはみな、一見、静かな男たちだった。ある日のこと、銀行襲撃の用意をしていると、十七歳のロペスに見られてしまい、一味に加えることにした。彼は母と二人の貧しい暮し。すすんで一味に加わった。そして四人組の仕事がスタートし、ミラノの銀行に押し入った。すべて順調に行ったが、カバンに札を詰めこむ時少々時間がかかり、これがすべてを狂わせてしまった。パトカーが追い、一味は街中をフルスピードで突っ走る。何人かの市民が射殺され、市街戦の様を呈してきた。そして一味の車は電柱に衝突、四人はそれぞれ逃げ出したが、ロボレットが捕ってしまった。彼の告白で全員逮捕された。