希望と野心に燃えるイギリスの青年アラン・ホワード(ダーク・ボガード)は、新生活開拓の夢を抱いて恋人メリイ・クロフォード(ヴァージニア・マッケナ)と、ケニアのナイロビ空港に降り立った。だが二人が、アランの兄と共同経営することになっていた農場に近づくにつれて、不気味な静けさがあたりを包んだ。農場に着いたアランとメリイは、スワヒリ語でライオンを示す“シンバ”という言葉が家の扉になぐり書きされているのを発見した。室内には、アランの兄が惨殺されていた。メリイに対する愛と、“マウ・マウ”団の横行を打ち砕く新たな息込みのためアランはケニアに踏み止まった。メリイは、いつかは白人と土着民が打ち解けて生活できる日が来ると信じていたが、兄を殺害されたアランの怒りは烈しかった。アランは次第に、土着の医師でメリイの親友であるケランジャ(アール・キャメロン)こそ、マウ・マウの首領であるという確信を深くした。ドラモンド警視(ドナルド・シンデン)もケランジャを疑っていた。ケランジャがアランに向って生命の危険を説いたときから、アランはテロの指導者としてのケランジャの内情を探ろうと決意した。だが程なくしてメリイの両親が殺害された時、アランは恐怖の的シンバとはケランジャの父親であり、ケランジャは父への服従か平和な生活への努力かの二筋道に悩む犠牲者であることを知った。シンバは警察の手から脱がれ、間もなくアランは彼によって次の生贄に選ばれたという警告状を受け取った。アランの農場はマウ・マウのため、無惨に荒らされていった。メリイとケランジャはドラモンド警視に急を告げたが、三人共にマウ・マウの罠にかかって捕えられてしまった。ケランジャは単身、テロリストの中に踏み込み、父親に暴力の放棄を願った。彼の雄弁にマウ・マウ団員達は動揺し始め、息子を殺そうとしたシンバはアランの弾に倒れた。だがケランジャはマウ・マウの一人に刺殺されてしまった。かくて闘いに勝利を収めたアランとメリイの前には、より平和で幸せな生活が未来を約束していた。