一九四一年、東アフリカのアビシニア戦線。リチャードスン少佐(デイヴィッド・ニーヴン)の操縦する英軍偵察機は地上のイタリア軍将校ブラジ大尉(アルベルト・ソルディ)をからかった。その日の日没直前に、フォルナリ少佐の率いるイタリア軍部隊は、集結地エグア・ダバに向った。ブラジ大尉も同行した。翌朝、小休止しているところへ、英軍の偵察機が飛来した。しかしエンジンに故障を起し不時着、乗っていたリチャードスン少佐とバーク大尉は捕虜となった。それにしても二人の捕虜が足手まといだった。考えた挙句、彼らを逃がすことにした。厄介払いしたブラジ大尉は、やっとエグア・ダバに部隊を送りとどけた。だがそこには重装備の英軍が包囲していた。ブラジ大尉の部隊は捕虜になった。指揮官はなんとリチャードスン少佐だった。それから何日か、乏しい食糧に悩まされながらリチャードスンは捕虜を連れ、苦難の行軍を続けた。いつしか双方の兵隊たちは敵同士であることを忘れるようになった。やがて一行は舗装道路に出た。そこにはイタリア軍占領地と書かれてあった。イギリス軍は完全に意気喪失していた。捕虜を開放した。だが、遠くから英国国歌がきこえてきた。この地域は再び英軍の手に落ちていたのだ。イタリア軍の捕虜が続々と後方の収容所に送られていた。そこで、リチャードスンはブラジたちと再会した。貨車の上から彼らは「チャオ!チャオ!」といつまでも手をふるのだった。