十七歳の少女フランチェスカ(カトリーヌ・スパーク)はイタリアのブルジョア家庭の娘だ。父母は彼女と兄のエディにほとんど干渉しない。フランチェスカにはひそかに愛する恋人エンリーコ(クリスチャン・マルカン)がいた。彼は三十歳をすぎた建築技師で、ハンサムな働く男性だ。エンリーコに会うと彼女はどうも巧く愛情をつたえることができず、どぎまぎしてしまうのであった。エンリーコと会ったあとでフランチェスカは親友マリア・グラツィアの家にいった。デザイナー志望のマリアの母親は、ファッション・ハウスの経営者であった。あまり大人として貫禄のあるマリアの母に、彼女はエンリーコのことを相談できなかった。レナートというハンサムな青年にそこで彼女は紹介された。彼はパトロンの公爵夫人に囲われて生活している男である。いっしょに行ったパーティでフランチェスカはレナートと公爵夫人の痴態を見てしまった。ショックをうけた彼女は兄とドライブに出かけた。仲間たちの車と追いつ追われつするうちに、彼女は兄の車をわざと間違った道に導いた。車はマリーノ湖のほとりに出た。湖のそばにはエンリーコが一人で仕事をしている荒れはてた屋敷があった。エンリーコとフランチェスカと兄は夕食をともにすることになった。フランチェスカはエンリーコとローマの街に買出しにでかけた。二人がもどると兄の姿がなかった。エンリーコと彼女は夜の一軒家にとり残されてしまった。エンリーコの前に、フランチェスカは自分の身をなげだした。春の一夜、こうして大人になったフランチェスカは、エンリーコの車におくられて一人、自分の暗い部屋に帰った。