白銀に輝くチロルの峰、その麓の村オーバー・ヒンメルブルン。そこには村長フックスが経営している旅館の一室に、老警官ヨーゼフと見習のアンダールがいる国家警察の駐在所がある。山奥の村とて事件らしい事件もなく、ヨーゼフは推理小説にうつつを抜かし、アンダールはフックスの娘ローズルに夢中だった。駐在所廃止の噂がたち、ローズルたちは倉庫に嘘の盗難事件を発生させた。この報を聞いた本部は、スキーの名手フロリアン(トニー・ザイラー)を派遣した。彼は休暇かたがた村に出かけた。村の山小屋に十二人の若い娘がスキーにやってくるのを承知で。フロリアンは犯人は内部の者の仕業と推定した。あわてたアンダールは偽の足跡をつくった。フロリアンは山小屋を訪ね、強引に警備役になって同宿することに成功した。スキーを楽しんでいる時、フロリアンは怪しいシュプールを発見した。それは山頂のヒュッテにつながっていた。無人のヒュッテにはヨーゼフ所有の推理小説があった。フロリアンは彼等の偽装事件を見抜いた。でも、これをとがめなかった。そして、リーダーのエファ(マルギット・ニュンケ)に自分の気持を打ち明けた。が、彼女はつまらぬ誤解で、彼の求婚を断った。山小屋の祭の翌日、一行は狐狩りという遊びをした。ところが狐の役のフロリアンが途中から姿を消してしまった。それは彼がヒュッテで美術品盗賊団を発見したからだ。賊の一人を追いつめ、それを利用して他の一味を一網打尽にした。フロリアンが小屋にもどると、彼に裏切られたと思ったエファは一行と帰ってしまった。彼はその後を追った。追いついたフロリアンは彼女を固く抱きしめた。これで駐在所は安泰、アンダールとローズルもめでたく結ばれた。