ビッキー(ナジャ・ティラー)はブリュッセルの河岸に繋留した船を改造したキャバレーを経営していた。ブリュッセルではアメリカを追われたギャングの親分バッグが繩張りを支配していた。彼は自分でもキャバレーを経営しながら、情婦ヨコらを使って他人の経営する酒場を次々と買いとった。度重なるバッグの脅迫もビッキーははねかえした。そして仲間のベルトや南米帰りのマルセル(ロベール・オッセン)に相談した。マルセルはビッキーの店の船底で偽札を作っていた。これをベルギー銀行の本物とすりかえようと企んでいたのだ。バッグは、またこの計画を知らなかった。ヨコは輩下の女たちを連れて、ビッキーの店を荒しに行った。そこで偶然マルセルとバッグが顔を合わせた。マルセルは計画の秘密を守るため、バッグに和解を申入れた。間に大親分“海賊”をたてて。ビッキーは涙をのんで店を売ることにした。バッグは何かをかぎつけた。彼女をなだめるマルセルにビッキーはいつしか恋を感じていた。ビッキーは仲間と銀行に下調べに行った。バッグは跡をつけ、二人を檻禁し拷問した。マルセルは夜間に屋上の工事場から銀行のエレベーター室に忍び込んだ。こうして仲間の銀行員が運ぶ本物とかえようというのだ。夜が明けた。本物は無事手に入った。が、ビッキーの口から知ったバッグ一味が外で待伏せていた。それとも知らぬベルトは車でやって来た。殺された彼女の頭上にマルセルが下りて来た。バッグ一味と激しい射ち合いがはじまった。マルセルは倒れた。そこへビッキーがかけつけた。傷ついたバッグを彼女は射ち、マルセルにひしと抱きついた。そこへ“海賊”の手下が忍び寄って来た。彼はビッキーを射殺して、どこへともなく立ち去った。