王の後継者を決めるため神様が教会の庭にある大きな石の上におかれた鉄の台もろとも剣でさし通し、その剣を抜いた者が王である、と決めた。多勢の人がその剣を引き抜こうとしたが、剣はびくともしなかった。その頃、森の奥の1軒家にマーリンという魔法使いのじいさんがアルキメデスという気むづかしやのフクロウと住んでいた。爺さんは、後に偉い人になる少年が、天井から落ちてい来るという予言を信じていた。その頃、2キロほど離れた森の中でワートという少年が殿様の息子のケイのお供で狩をしていた。ケイの放った矢を探して森に入ったワートは、道に迷ってマーリンの家の屋根を破って落ちてしまった。早速マーリンはワートに色々教えてやることにした。それにはエクターの殿様の許可がいる。ある日、正月に馬上槍試合が催され、その優勝者が王になるという知らせがあり、ケイも練習次第で王になれる、と殿様を喜ばせた。ワートは殿様の許可を得て魔法を習いはじめたが、失敗をくり返してばかりいた。でもマーリンの魔法によって鳥や魚、リスに変身したワートは、様々な人生の教訓を覚えた。一方騎士になったケイは試合に行くことになり、ワートがその家来としてロンドンに行くことになった。当日、ワートはケイの剣を宿屋に忘れてしまい、取りに帰ったが鍵が閉まって入れない。途方にくれて教会の庭にさしかかると、そこには石にささった剣があった。代わりにこの剣をケイに届けようと、ワートはあっさり剣を抜いて試合場に駆けつけた。驚いたのは殿様。その剣は今まで誰も抜くことのできないものだったのだ。やせっぽちの少年が王さまの剣を抜いたとは誰も信じない。ワートが衆目の前で、再び剣を抜いてみせたると、国中の観衆は歓声をあげた。こうしてワートはアーサー王となったのだった。